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  5. 不動産は本当に遺言者の名義か?

不動産の名義

名義と所有者

遺言書を書く前に不動産の名義と評価額を調べましょう

 不動産は名義人と所有者、使用者が違う場合があります。ですので、実際に自分が住んでいるから、固定資産税を支払っているから、遺言書に不動産を相続させると書いていたからといって、本当に名義人で所有者かどうかはまた別問題です。

・相続で名義と所有が変わる場合

 例えば、自宅の名義人である父が亡くなり、妻と子がその後もその自宅に住み続けた場合、基本的には妻が固定資産税を支払っている場合が多いと思います。

 しかし、不動産の相続手続きをして実際に名義変更(相続登記)をしていない場合は、名義は亡くなった父のままであり、所有者は妻と子の共有となり、使用者も妻と子となります。

・遺言があったが名義変更をしていない場合

 仮に父が生前に遺言書で子に自宅を相続させると書いていても、実際にその遺言書を使って名義変更の登記を行っていない場合は、名義は父のままです。この場合、基本的には所有者は子となり、使用者は妻と子となります。
 しかし、固定資産税を支払っているのは妻の場合が多いです。

・固定資産税の支払と名義は無関係

 上の例のように固定資産税の納税者だからといって、不動産の名義人や所有者、使用者であるとは言えません。
 特に固定資産税を支払う方の変更も名義変更という言い方をすることがありますので、余計にややこしく、ついご自身に不動産の名義があると勘違いされる方もいると思います。

不動産の価値

 複数の相続人がいる場合、不動産の価値を正確に把握していないと、遺留分の問題が起こる可能性があります。

不動産の値段は、 家のイラスト

以上の3種類の計算方法がありますが、遺言書の作成の場合は、一般的に固定資産税評価額を用いて計算します。

名義、評価額の調べ方

・名義を調べる

法務局のイラスト

 不動産の名義人を調べるには、法務局に行き不動産登記簿謄本(全部事項証明書)を取得して調べます。
 この際に注意するのは、一般的に使用している住所ではなく、地番で調べなければならないということです。

 この地番は、固定資産税の納税通知書にも記載されていますし、ブルーマップという地番が書かれた地図が法務局にありますので、それで調べて書きます。

・評価額を調べる

市税課のイラスト

 固定資産税評価額を調べるには、その不動産のある市役所などで固定資産評価証明を取得するか、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書を見ます。
 ただし、納税通知書には純粋な評価額の他にも色々な金額が書いていますので注意が必要です。

・もれがないように調べる

 せっかく不動産の名義や評価額を調べても、もれがあっては大変です。
そこで注意すべき点は、

このような場合に不動産を見落としていることが多いです。
マンション、自宅前の道が私道、倉庫など別の建物がある方などはご注意ください。

 不安な場合は念のため名寄帳の閲覧(基本的に評価証明書と同じ窓口で可能です)なども検討します。

 名義や評価額を調べるさいの窓口で支払う金額はこちらの各種書類の取得費用のページをご覧ください。

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公正証書遺言の場合

作成に費用がかかるので慎重に

 公正証書遺言を作成するさいには、不動産の場所や名義、評価額を特定し公証役場へ提出する必要があるため、登記簿謄本や評価証明書などを取得します。

 ですので、いざ作成したあとに名義が違った、共有状態だったなどのトラブルは基本的には起こりません。
 しかし、それも正しくお持ちの不動産を把握し、資料を集めた場合であって、そもそも調べるさいにもれがあっては意味がありません。

 公正証書遺言は作成時にそれなりに費用がかかるため気軽に作りなおすという訳にも行きません。

 ですので、より慎重に遺言者がお持ちの不動産をしっかりと特定しておくことが大切です。

 もしも新たな不動産が発覚した場合は、遺言書の全てを作りなおすのではなく、その不動産のことのみを記載した遺言書を作成することも可能です。

 そうすることで全て作り変えるよりは費用を抑えることができます。ただし不動産の価格によっては遺留分なども考慮する必要もあります。

作成するさいのポイント

・その他の全ての財産を相続させる

 公正証書遺言を作成するさいに「その他の全ての財産は○○に相続させる」などの条項を入れることで、仮に不動産の把握にもれがあってもその他の全ての財産として、その指定された方が単独で相続できます。

 ただし、自宅と敷地の相続は長男を指定したが、その他全てを相続すると指定されているのが次男の場合に、その敷地内にあった倉庫を次男が相続し、トラブルになる可能性もあります。

 そこで、「その他の全ての財産」を取得する人の指定を慎重に考えることが大切です。
 他には「その他の不動産及び持分の全て」のように不動産と「その他の全ての財産」を分けるなどの工夫が考えられます。

・共有での相続はさける

 また、一つの不動産を複数人の共有で相続させることは避けるべきです。
 共有での相続は相続争いを次世代に引き伸ばす場合や、権利者が増えることによって将来トラブルになる可能性が高くなります。

・早めに準備をする

 公正証書遺言は自筆証書遺言と違い、書類の収集や公証役場での打ち合わせがありますので、完成まで日数がかかります。

 さらに、遺言書に記載する予定の自宅が亡くなったご主人の名義のままで、権利が妻だけでなく子との共有状態にある場合は、その自宅を遺言書を書く妻の名義にするために、まずは亡くなったご主人の相続手続きからはじめる必要があります。

 そうなるとスムーズに手続きが進んでも数週間はかかる場合が多く、最悪の場合は、相続手続きが難しく数年を要することもあります。

心配そうなおばあさん

 しかし、遺言書は認知症などで判断能力がなくなってしまうと作成することができません。
 認知症などではなくても高齢になって内容を考えるのは本当に大変です。
 ですので、早め早めの準備が一番のポイントです。

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